お遍路に名づけられた発心、修行、菩提、涅槃の道場

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お遍路の札所には一番から八十八番まで順に番号が付いていて、全行程1,450キロ、これを一度にすべて順番どおりに参拝しなくてはならないというわけではもちろんありません。

お遍路は、八十八の煩悩を一つ一つ取り除き、大自然の中で生かされている自分自身を見つめ直す修行の場ということです。

お遍路は環状になっていますので、それぞれお住まいの地域や巡拝の手段などで旅の基点も変わってくると思います。

八十八ケ所の札所は、弘法大師が密教の曼荼羅の世界を投影したという思想から、それぞれを「発心」・「修行」・「菩提」・「涅槃」の道場に分けられています。

「発心の道場」の最初となる一番札所を基点として多くの方がお遍路を出発点とされるようですね。

それでは、「発心」・「修行」・「菩提」・「涅槃」の道場を具体的に説明します。


阿波(徳島) 発心の道場 23ヵ寺
発心とは、わたしたちが菩提を求める心、仏教に帰依しようとする心を起こすことを言います。

その引き金が何なのか、何がそうさせたのかは全く個人個人異なります。
お遍路さんになって巡礼してみようかな!って思い立つのもその引き金かもしれません。

弘法大師と「同行二人」で、お遍路を思い立った人達にとって、徳島は「発心の道場」と言うことです。        
土佐(高知) 修行の道場 16ヵ寺
修行というと、何かなかなか通常の人間には達成できないような難行苦行をしなければならないっていうような事を想像してしまうかもしれません。

しかし弘法大師の教えは、そのような苦行では全くありません。
心身ともに仏道を身につけて善行を積むといったことを指します。


伊予(愛媛) 菩提の道場 26ヵ寺
菩提というのは道であり、知であり、覚であります。

あらゆる煩悩を断ち切って、不生、不滅の理を悟って、初めて得ることができるといわれています。

今まで説明してきました発心の道場、修業の道場を経て、やっとここにたどり着くと言われているのが菩提です。          


讃岐(香川) 涅槃の道場 23ヵ寺
香川県下には、弘法大師にゆかりの深いお寺が多くあります。様々な苦を絶ち、一切の煩悩を滅ぼし、不生不滅、解脱の境地・・・涅槃とはそういう意味で、讃岐を無事に巡ると、四国八十八ヶ所遍路は結願となります。

「発心」、「修行」、「菩提」とそれぞれの道場をお遍路し最後の涅槃の道場に入るということになります。

香川県には弘法大師のゆかりのお寺が数多くあります。

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