金剛杖にまつわるいろいろなルール

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金剛杖については、前回に弘法大師の化身という意味をもつということから、お遍路するのに非常に深い意味を持つことはお伝えしました。

それでは、具体的にしきたりに基づいた取り扱い方、タブーなど知っておくべきことを詳しく説明しますのでしっかりと覚えて恥ずかしくないお遍路さんをここ尾rが毛てください。

橋の上で杖をついてはいけません
これは、四十三番札所明石寺から四十四番大宝寺への途中、ちょうど今の愛媛県大洲市の国道56号線に「十夜が橋」(とよがはし)という橋があります。

この橋の名前の由来は、修行中の弘法大師が、ここで野宿した時に余りの寒さで一夜を十夜のように感じたという言い伝えから名づけられました。

以来、どのような橋の下にも弘法大師が休まれているかもしれないとされ、お遍路さんは、橋を渡るときは杖を突かないならわしになっています。

どのような橋でも、その上では金剛杖はつかないようにしてくださいね。

杖の先を削ってはいけません。
お遍路を続けていくうちに、何度もつくため杖の先はだんだんとささくれ立ってきます。
その場合でも、杖の先は弘法大師の足とされていますので、決して刃物などで削ってはいけません。

ささくれ立ってきた場合は刃物で削らず、地面にこすりつけてささくれを取るようにしてください。

お遍路の最後の八十八番札所大窪寺の大師堂前の石畳でささくれを落とすといいと言われていますが、もうその頃には、長旅での磨耗により杖は10センチ以上短くなるといわれています。
お遍路の大変さを物語っていると思います。

一日の終わりには、最初に杖の手入れをしましょう。
何度もお伝えしているように、金剛杖自体が弘法大師ですから、その足となる杖の先を必ず最初に洗います。

自分よりも先に洗い清めて、部屋の中では床の間など一番清浄な場所に立て、日々合掌して感謝の言葉を述べます。
これは、常にお遍路に同行していただいている弘法大師への感謝を忘れないことにも繋がります。
大切なのは、金剛杖は弘法大師、「自分より先に杖を清め休めること」と、「汚い場所には置かないこと」です。

もちろん途中の休憩時にも先に杖を休ませてから自分の腰を下ろすようにし、お手洗いなどの中には持って入らずに、必ず外に置くようにしてくださいね。

他人の杖を使ってはいけません。
お遍路さんにとって大切な金剛杖ですし、弘法大師と同行しているということなのですが、残念ながら、落し物や忘れ物が多いのも実情です。

ですがもし、それら落し物など他人の杖を見かけても、拾って使ってはいけません。
そうすることで持ち主だった人の業までを背負って歩くことになってしまうとされているからです。

他人の杖と取り違えて使っていることも同じことになりますから、自分の杖はきちんと見分けがつくように、目印に工夫をしましょう。

友人知人どうし、一緒にお遍路する場合なども、親しい仲だからと言って、貸し借りするようなことはやめましょうね。



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